一般社団法人石膏ボード工業会

 
 

石膏ボードについて

石膏ボードの特徴

火に強い(防・耐火性)

石膏ボードの芯材は無機質の石膏ですので、燃えることはありません。石膏には、約20%の結晶水が安定した形で含まれています。これは、ボード1枚に、3kgの水を含んでいる計算になります。火災時に石膏ボードが高温にさらされるとこの結晶水が熱分解し、水蒸気となって徐々に放出され、温度の上昇を遅らせる働きをします。また、石膏そのものが、伝熱を防止するバリアの役割を果たします。石膏ボードは、こうした石膏の特性によって、防火材料に認められています。そして、壁の防・耐火構造の材料として、あるいは柱や梁の耐火被覆材として多用され、火災の延焼防止に効果を発揮しています。

石膏ボード(910mm×1,820mm×12.5mm)には結晶水が約3kg含まれています
石膏ボード(910mm×1,820mm×12.5mm)には結晶水が約3kg
火に強い石膏ボード
火に強い石膏ボード

「石膏」は2分子の結晶水をもつ硫酸カルシウムで、通常「二水石膏」と言います。
二水石膏」は120℃~150℃に加熱すると結晶水全体の3/2を失って「焼石膏」になります。
焼石膏」に水を加えると水和反応を起こし、再び元の「二水石膏」に戻って固まります。
この性質を利用し、2枚の厚紙(原紙)の間に水で練った「焼石膏」を流し込み、板状に固化させて、石膏ボードはできています。詳しくは「動画でみる石膏ボード」をご覧ください。

石膏の化学的反応
石膏の化学的反応

音を通しにくい(遮音性)

石膏ボードには音を通しにくい性質があります。石膏ボードを1枚で用いるほか、厚手品の使用や複数枚の重ね張り、さらには吸音材との併用により、たいへん優れた遮音性能を得ることができます。アパートの住戸間の界壁や、ホテル・病院の壁など、プライバシーや静けさが要求される場所でもよく使われています。

音を通しにくい構造
音を通しにくい構造

施工性

切断、釘打ち、ビス留め、クリップ留め、接着工法とも簡単で、切断は特殊な道具を必要とせず、文具用のカッターで容易に切断できます。仕上げもペイント塗装、壁紙、クロス張りなど広い応用範囲を持っています。

水分や湿気には気をつける

石膏ボードは、石膏と紙とで造られています。
水や湿気には強くありませんので、常時水濡れの恐れのある所や高湿度の部位への施工は出来ません。
キッチンや浴室の脱衣室などの下地用としては防水性を向上させたシージング石膏ボードをご使用ください。