厚手化した石膏ボードを使用することで、安心・安全な住環境を創造します!

<石膏ボードの厚さを9.5mmから12.5mm、15mmにした場合の性能向上>

◇防火性の向上

材料単体としては9.5mm品が準不燃材料であるのに対し12.5、15o品は不燃材料となり、壁、天井等を12.5mm品にすることで省令準耐火構造(15分耐火)、15o品にすると準耐火構造(45分耐火)となり、火災に対して安心な住まいにすることができます。また、省令準耐火構造や準耐火構造にすることで火災保険が安くなる利点もあります。

◇強度の向上

曲げ破壊強度として9.5o品に対し、12.5o品は約1.4倍、15o品は約1.8倍となります。また、壁に人が寄り掛かった場合に、壁のたわみ量として9.5o品に対し、12.5o品は約半分、15oでは約4分の1となり、より頑丈な壁にすることができます。 また、石膏ボードが厚くなると、さまざまな衝撃に対しても、石膏ボードは破損しにくくなります。

◇遮音性能の向上

石膏ボードを厚くすることで、壁としての重量が増え、その結果、遮音性能が向上します。
厚さ12.5mmの石膏ボードの遮音性能を9.5mmの石膏ボードの場合と比較すると、1枚張りでは1dB、2枚張りでは3dB向上します。

◇耐震性能の向上

建築基準法に関連する告示では、新築の木造住宅では、厚さ12.5mmの石膏ボードを、耐震性能を確保するための材料(耐力壁の材料)として認めています。
また、品確法で耐震性能を評価するときにも、厚さ12.5mmの石膏ボードを用いた壁構造が耐力壁や準耐力壁として評価されています。

◇防火性能の向上

(1)石膏ボード単体の防火性能

厚さ9.5mmの石膏ボードは準不燃材料、厚さ12.5mm以上の石膏ボードは不燃材料として、国土交通大臣の認定を取得しています。
建築材料の防火性については、建築基準法施行令の第108条の2で、それぞれの材料区分で、要求され時間の間に、表1の技術的基準を満たさなければなりません。

表1 防火性能の区分と技術的基準・要求時間

防火性能の区分

技術的基準
(建築基準法施行令 第108条の2)

要求時間
(技術的な基準を維持できる時間)

不燃材料

1)燃焼しないものであること
2)防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること
3)避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること

20分

準不燃材料

10分

難燃材料

5分

石膏ボードの厚さによる防火性能の違いについては、表2のように厚さ9.5mmの石膏ボードは準不燃材料、厚さ12.5mm以上の石膏ボードは不燃材料となります。

表2 石膏ボードの厚さと防火性能の区分

石膏ボードの厚さ

防火性能の区分

12.5mm以上

不燃材料

9.5mm

準不燃材料

(2)構造としての防火性

壁・天井等に12.5o品以上の石膏ボードを単体若しくは組合せで使用することで、省令準耐火構造(15分準耐火※1)、準耐火構造(45分準耐火)、高性能準耐火構造(1時間準耐火)や耐火構造(1時間耐火)の仕様を満たし、防火性の向上と併せて火災保険料が安くなる利点があります。

表3 木造戸建住宅の耐火性能に応じた石膏ボードと火災保険料金の例

木造戸建住宅の
耐火性能

一般在来木造

省令準耐火構造

準耐火構造

高性能準耐火構造

耐火構造

石膏ボードの種類と仕様(代表例)

GB-R
9.5mm

GB-R
12.5mm

GB-F(V、N)
12.5mm

GB-F(V、N)
15mm

GB-F(V、N)
15mm+21mm

天井

GB-R
9.5mm

上階に床なし(平屋)

GB-R
12.5mm

GB-R12.5o+GW50o又はRW50o

GB-R12.5o+GW50o又はRW50o

GB-F(V、N)
12.5o+15o

上階に床あり(二階以上) GB-F
12.5mm
GB-F12.5o+GW50o又はRW50o GB-F15o+GW50o又はRW50o ツーバイフォー仕様 GB-F(V、N)
15o+21o
木住協仕様 GB-F(N)15o+GB-F(V、N)21o

仕様規定(代表例)

 

住宅金融支援機構仕様

壁:(社)石膏ボード工業会仕様
天井:住宅金融支援機構仕様

(社)ツーバイフォー建築協会仕様
(社)日本木造住宅産業協会仕様

火災保険構造等級

H構造

T構造

火災保険金額例※2
保険会社:A社
地区:東京都
保険金額:2,500万円
保険期間:20年

425,000円

184,000円

GB−R:石膏ボード GB−F:強化石膏ボード全般(一般、タイプV、タイプNを含む) GB−F(V):強化石膏ボード タイプV
GB−F(N):強化石膏ボード タイプN GW:グラスウール RW:ロックウール

※1:壁及び天井の室内に面する部分が、通常の火災時の加熱に15分以上耐える性能を有するもの。
※2:保険料は、地域や保険会社によって異なりますので、詳細は各保険会社にご確認ください。
上記保険料は火災保険のみで地震保険は含まれておりません。

◇強度の向上

(1)材料の強度

石膏ボード自体の曲げ強度として、JIS A 6901「せっこうボード製品」に規定されています。
9.5mmの石膏ボードの曲げ強度に比較して、12.5mmは約1.4倍、15mm品は約1.8倍の強度となっています。

図1 石膏ボードの厚さと曲げ強度の規格値

図1 石膏ボードの厚さと曲げ強度の規格値

図2 石膏ボードの曲げ強度試験の概要

図2 石膏ボードの曲げ強度試験の概要

(2)壁としての強度

石膏ボードのたわみ量について

私たちが壁に寄りかかったときに壁材が容易にたわんだりしないように、しっかりとした材料であることが要求されます。
1人が壁に寄りかかったときの荷重は、日本建築学会が、壁長さ1m当りの実際の荷重として25kg、またさまざまなケースを想定した設計荷重として50kgを提案しています。
これらの荷重が石膏ボード加えられたときのたわみ量を測定しました。
図3の試験方法で測定したたわみ量を表4に示します。
9.5mmの石膏ボードのたわみ量に比較して、12.5mmは約半分、15mm品は約4分の1のたわみ量となっています。

図3 石膏ボードに加える荷重とたわみ量の試験方法について

図3 石膏ボードに加える荷重とたわみ量の試験方法について

写真1   石膏ボードに加える荷重とたわみ量の試験方法について

写真1 石膏ボードに加える荷重とたわみ量の試験方法について

図4

石膏ボードの支持間隔が
303mmの場合

図5

石膏ボードの支持間隔が
455mmの場合

石膏ボードの耐衝撃性能について

壁を叩いたり、蹴ったりすることを想定した、砂袋衝撃試験を行ないました。
表4には、壁に衝撃が加わるときのエネルギーを10kgの砂袋の落下高さに換算しました。

表4 さまざまな衝撃力を10kg砂袋落下高さに換算した数値

衝撃の種類

衝撃エネルギーを10kg砂袋の落下高さに換算した値

こぶしで打つ

3cm

靴で蹴る

7cm

革靴のかかとで蹴る

15cm

内装仕上げ(天井)施工管理者教育テキスト[(財)建設業振興基金]、建築室内人間工学[鹿島出版会]より抜粋

試験方法の概要は図6、試験結果は表5にまとめました。
石膏ボードが厚いほど、衝撃に対して石膏ボードが破損しにくくなることが明らかになりました。

図6 砂袋衝撃試験の概略図

図6 砂袋衝撃試験の概略図

表5 砂袋衝撃試験結果

面材枚数

間柱間隔

面材構成

落下高さ

10cm

25cm

50cm

75cm

回数

1回

2回

3回

1回

2回

3回

1回

2回

3回

1回

2回

3回

1枚張り

303mm

9.5mm

 

 

 

 

 

 

 

 

12.5mm

×

 

 

 

 

 

 

15.0mm

 

 

×

備考:◎:異常なし、○:ほとんど目立たない、実用上問題なし、△:修理を要する、×:使用上不可能

◇遮音性能の向上

石膏ボードを厚くすることで、壁としての重量が増え、その結果、遮音性能が向上します。
厚さ12.5mmの石膏ボードの遮音性能を9.5mmの石膏ボードの場合と比較すると、1枚張りでは1dB、2枚張りでは3dB向上します。

表6 石膏ボードの厚さによる遮音性能の比較

使用する石膏ボードの厚さ

9.5mm

12.5mm

両面1枚張り

壁自体の遮音性能
(TL値)

24

25

両面2枚張り

壁自体の遮音性能
(TL値)

29

32

◇耐震性能の向上

壁の石膏ボード9.5mm 1枚張りを標準仕様としている在来木造の場合、石膏ボードを12.5mm以上とすることによって、建築基準法の耐力壁が可能となります。
(平成19年 国土交通省 告示615号、616号)
また、住宅性能表示の耐震等級の判定において、準耐力壁として、壁倍率への加算が可能となります。
(平成18年 国土交通省 告示1129号、1130号)

図7 石膏ボード、筋交などの耐力壁がない場合 図8 厚さ12.5mmの石膏ボードを張った場合

図7

石膏ボード、筋交などの
耐力壁がない場合

図8

厚さ12.5mmの石膏ボードを
張った場合